1. ゴルフバーの施工に必要な工事とは
通常の飲食店内装工事に加えて、ゴルフシミュレーター特有の工事が必要です。主に以下の4種類です。
- 打席スペースの確保・区画工事:お客様が打席に立てるスペースの設計・仕切り工事
- 防球・壁補強工事:ボールが当たる壁面・スクリーン周囲の補強
- 防音工事:打撃音・振動を外部に漏らさないための施工(後述)
- 機器まわりの下地・電気工事:スクリーン/防球ネットの取付下地、専用電源の確保(計測センサー・プロジェクター本体の設置・調整はメーカーが対応)
これらに加え、バーとしての内装工事(カウンター・床・壁仕上げ・照明)が必要です。ゴルフ打席スペースとバースペースをどう設計するかが、ゴルフバー施工の最大のポイントです。スペースの広さ・形・既存の内装状況によって、必要な工事の範囲と内容は大きく変わります。
2. 物件選びのポイント
ゴルフバー開業において、物件選びは施工内容に直結します。以下のポイントを事前に確認してください。
天井高
フルスイングできる打席には天井高2.8m以上が推奨されます。飲食店物件の多くは2.4〜2.6m程度のため、注意が必要です。天井を撤去して梁まで高さを出す「スケルトン天井」にする方法もありますが、工事範囲が広がります。候補物件が決まったら、まず天井高を実測してください。
奥行き・床面積
1打席あたり最低でも奥行き4m以上、幅3m以上が推奨されます。シミュレーター打席スペース+バースペースを合わせると、20〜30坪程度が施工しやすい規模感です。
建物構造と防音性
RC(鉄筋コンクリート)造は木造・軽量鉄骨造に比べて防音性が高く、防音工事の範囲を抑えやすいです。木造テナントは防音工事が大規模になる傾向があります。物件契約前に構造を確認することをお勧めします。
居抜き物件の活用
既存の内装・設備を活かせる居抜き物件は、スケルトンから施工するより工事範囲を抑えられる場合があります。ただし、既存の内装が天井高や防音に影響することもあるため、必ず現地確認が必要です。
3. 防音対策は最初から
ゴルフバー施工で最も見落とされやすく、後から後悔することが多いのが防音対策です。
ゴルフボールがスクリーンに当たる音は予想以上に大きく、隣接テナントや上下階への音漏れが苦情につながるケースがあります。防音工事を省いてオープンし、後から大規模な工事をやり直した事例を複数見てきました。
- スクリーン背面・側面の吸音処理(必須)
- 打席床面への防振マット施工(アイアン打撃時の振動対策)
- 壁面への防音パネル設置(隣接テナントへの配慮)
必要な防音工事の範囲は建物構造・隣接する用途・打席数によって異なります。「どこまで対策が必要か分からない」という場合は、現地を見た上でご案内します。
4. 必要な許認可・届け出
ゴルフバーを開業する場合、飲食業として以下の届け出が必要です。
| 届け出・許可 | 内容 | 申請先 |
|---|---|---|
| 飲食店営業許可 | 食品・飲料を提供する場合に必須 | 保健所 |
| 防火管理者選任届 | 収容人数30名以上の場合 | 消防署 |
| 深夜酒類提供飲食店営業届 | 深夜0時以降も酒類を提供する場合 | 警察署 |
5. 開業までの流れ
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| ① 物件探し・事前相談 | 候補物件の写真・図面をお送りください。施工可否と必要な工事の概要をお伝えします |
| ② 現地確認・設計提案 | 実際に現地を確認し、レイアウトと詳細な内容をご提示 |
| ③ 物件契約・着工準備 | テナント契約・施工スケジュール確定 |
| ④ 内装施工 | 防音工事→内装工事の順(シミュレーター機器の設置・調整はメーカーが対応) |
| ⑤ 検査・許認可取得 | 飲食店営業許可等の申請・取得 |
| ⑥ オープン | 動作確認・スタッフ操作説明 |
6. よくある失敗と注意点
物件契約後に天井高が不足と判明した
飲食店居抜き物件は天井高が低いケースが多いです。物件契約前に必ず実測し、施工業者に確認を取ることを強くお勧めします。
機器購入後に工事が必要と判明した
シミュレーター機器を先に購入してから施工を依頼しようとすると、機器との整合が取れないケースがあります。機器選定と施工計画は一体で進めるのが理想的です。
開業後に防音トラブルが発生した
開業後に打撃音の苦情が出て休業を余儀なくされたケースもあります。防音対策は開業前に確実に行ってください。